俺は夢を見ているんだろうか?
父親の失踪を義妹の小雪に伝えようと乗り込んだ全寮制の学園がある島で……。
不法侵入者として追い回される俺に、浴びせられているのは……
『魔法』という理不尽な攻撃手段だった。
島にたどり着いて最初に出会ったのは、アリシアと言う記憶喪失の女の子だし……。
セーラという女の子は、怒りの表情で俺に魔法で生み出したと言う電撃を
容赦なく浴びせてくるし。
小雪に出会わなければ……間違いなく命を落としていたね。
そこで俺は初めて、この島が外部との連絡を拒絶している理由を知ったんだ。
世間に秘匿された魔法使いの島であるということを。
文化交流として、留学生を招いて魔法を教えていると言うことを。
そびえたつ世界樹の下で、俺は様々な出会いをする。
記憶を失って……生まれたてのヒヨコように
俺の後ろをついて回るアリシア。
再会してから、再び俺の世話を焼きだした義妹の小雪。
出会いは最悪。俺を目の敵にする、エリート魔法使いのセーラ。
小さいけど、物事に一生懸命な花を愛する先輩、優花。
小雪の親友だと言う双子の下級生、レナとニナ。
人種も……次元さえ超えた出会いが、俺の前に新たな道を開いていく。
小さな出会いの種子が……やがて大きな花をつける、そんな未来を目指して。
マギウステイル〜世界樹と恋する魔法使い〜 始まります。
数年前突然『世界樹』を中心にした小島が日本近海の出現し、
魔法という超常的な力を用いる『魔法使い』と呼ばれる人種が現れた。
政府と秘密裏に接触した彼らは交流目的の交換留学の必要性を主張した。
結論として、政府は彼らの主張を飲むと同時に無用な混乱を招かぬよう、
島を結界で覆い、一般には魔法使いの存在を認識されないように要求。
魔法使い達もその条件を飲んだ。
現在、学園は近代的な建築のようにカモフラージュされているが、
魔法時間が開始されると溢れる魔法力で本来の姿を取り戻し始める。
魔法使い達の魔法の源。魔法使いは世界樹の及ぼす影響によって、
人間世界でも魔法を使うことが出来る。また、世界樹は時空を超えて存在する
多くの世界を繋ぐ装置でもある。また、世界樹自身にも意思があるらしく、
放出する魔力そのものの制御装置としての役割も果たしている。
年に一度、世界樹から取れる果実の石、ラピスは高い魔力を秘め、
就学中の学生達はそれを身に着けることで魔法力をあげている。
大抵の学生はラピスをアクセサリに加工して身に着けている。
ラピスは術者と共に成長し、最終的に何かの形をなし、
魔法の発動体に変化する。それを『ラピスの発現』と呼ぶ。
ラピスの発現は学生達の目標でもある。
世界樹から発せられる魔力が飛躍的に高まる時間。
全ての魔法使いの魔法力があがるため、授業にも取り入れられている。
発生タイミングは、本来かなりまちまちだが、現在は世界樹に隣接した観測台によって、
高い確率での予想が可能になっている(天気予報レベル)。