この春、物語の舞台となる杜ノ宮学園に編入してきた二年生。
彼に発現した『ギフト』は
「自らが決めたたったひとつのことを除いて、新しい記憶を持ち越せない」というもの。
彼の記憶は学園に来る以前の段階で停滞しているため、
毎朝、枕元の日記で確認しないとここがどこかも思い出せない。
『ギフト』は意志で行使する異能力という見方が一般的なので、
彼のこの体質が『ギフト』と呼べるかは担当医も首を傾げている。
なかなかタフな状況ではあるものの、前向きに学園生活に取り組む意志はある。
「今を楽しめれば今日に価値が出る」「昨日の俺に勝つ」というところ。
若干、自分に言い聞かせている節は否めないが……。
学園は生徒がなんらかの部活に入ることを奨励しているので、部活は放送部に所属している。
なお、放送部に入った動機は覚えていない。